北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森四葉. Since July 10, 2006.)
AMD Details ZEN Microarchitecture IPC Gains(techPowerUp!)
AMD ZEN Quad-Core Subunit Named CPU-Complex (CCX)(techPowerUp!)
AMD Releases More Architecture Details on ZEN(Guru3D)
AMD Exposes Zen CPU Architecture at Hot Chips 28(PC Perspective)

AMDは8月23日、Hot Chipsで“Zen”マイクロアーキテクチャのより深い内容を明らかにした。“Zen”は現行のCPUアーキテクチャである“Excavator”と比較して40%ものIPC向上を成し遂げていることは以前にも述べられたとおりである。

そして今回AMDは“Zen”において3つの大きな変更が行われていると述べた。その3つがより優れたコアエンジン、より優れたキャッシュシステム、そして低い消費電力である。
 
まずその前に“Zen”の基本構成であるCPU-Complex (CCX) について触れる必要があります。
“Zen”は4つのCPUコアから構成されるCPU-Complex (CCX) と呼ばれる単位で構成されます。間違ってはいけないのは“Bulldozer”系列のモジュールとは異なりCCXの4つのコアはそれぞれ独立したフロントエンドから演算器・バックエンドを有した完璧な1つのCPUコアであることです。そしてこれらのCPUコアは独立して512KBのL2キャッシュを有します。そしてCCXの4-coreで共有する8MBのL3キャッシュがあります。このL3キャッシュも4スライスから構成されており、AMDのスライドを見ると、それぞれのコアに2MBのL3キャッシュがくっついているように見えますが、全てのコアは他のコアのキャッシュに同じ平均レイテンシでアクセスできると述べています。
このCCXの数を増減させることで、CPUコア数を変更することができるといい、例えばSocketAM4のPerformance向けCPUである“Summit Ridge”であればCCX×2で8-coreを実現します(Dual-channel DDR4メモリコントローラは2つのCCXで共有する)。一方、4-core APUである“Raven Ridge”の場合はCCX×1+GPUという構成となります。

“Zen”における3つの大きな変更―“Better Core Engine”、“Better Cache system”、“Lower Power”についてはPC Perspectiveに掲載されている“Zen Performance & Power Improvements”というスライドに掲載されていますが、その項目は多岐にわたります。その中でも特に鍵となるのが以下の3点の模様です。

  • 演算器の性能向上は、一新した分岐予測、micro-op cacheの導入、そしてより広い命令Windowによる
  • スループットは演算器の高い性能を維持するため、プリフェッチによりメモリからの命令・データの供給の維持、および8MBのL3キャッシュとともに導入された完全に一新した新しいキャッシュメモリシステムによる
  • 効率性は14nm FinFETプロセスとアーキテクチャによる電力制御設計技術により消費電力を上げることなく性能とスループットを高めた


“Zen Performance & Power Improvements”のスライドを見返すと、改めて“Zen”が根本から設計し直されたアーキテクチャであることがわかります。この付近は先日の後藤氏のコラムも合わせて読んで頂くとわかりやすいかもしれません。

(参考:AMDが次世代CPU「Zen」アーキテクチャの概要を発表(Impress PC Watch / 後藤弘茂のWeekly海外ニュース))

そして現在Engineering Sampleとして供給されている“Zen”は以下の4種類であるようです。

  ・AM4 8-core with 95W TDP (Summit Ridge)
  ・AM4 4-core with 65W TDP (Bristol Ridge)
  ・SP3 24-core with 150W TDP
  ・SP3 32-core with 180W TDP (Naples)

4-coreのところに書かれている“Bristol Ridge”は“Summit Ridge (のコア削減版)”またはAPUであれば“Raven Ridge”の間違いではないかとは思いますが、詳細は不明です(あるいはしれっと“Excavator”コアの“Bristol Ridge”が混ざっている?)。

なお、AMDはその詳細こそ明らかにしなかったものの“Zen”の次に“Zen+”というものを用意していることを明らかにしています。これの登場は2017~2018年であろうと見込まれているようです。

(過去の関連エントリー)
“Zen”に関するスライド資料あれこれ(2016年8月18日)



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コメント
この記事へのコメント
153487 
ネイティブ2コアの製品は存在しないのかな
2コアは4コアの削減しかないとすると
ちょっと経済性悪そう
2016/08/25(Thu) 00:12 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153488 
モジュール設計ではないってところがポイントですな
Zenの期待値が5ポイント上がった!
2016/08/25(Thu) 01:01 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153493 
久々の期待出来る石。
あとは、チップセットが・・・
2016/08/25(Thu) 02:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153496 
しれっとBristol Ridgeが混ざってるところに突っ込みどころ満載。いや、無いだろうがAPUが既にZenあるぜってのなら大喜びするけど、Ravenが来るまでBulldozer系は続くの発表してるしなあ

4-coreパッケージでCCX構成してるとして歩留まりの関係で無効化した場合はBIOSで有効に出来るとかやれたらおなしゃす
2016/08/25(Thu) 02:33 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153503 
Summit Ridgeは8コア16スレッドかぁ…。
Intelもそろそろ全体的にコア数を上げてくれないかねぇ。
そのためにはZenがいい競争相手になってくれることが必要だと思うが…。
2016/08/25(Thu) 13:06 | URL | LGA774 #90LdKUd6[ 編集]
153510 
確かzenはしばらくの間、8コア用のダイのみを製造するんだっけ。それでCPUのみの製品は4コア×2の8コア、APUは4コア×GPUの構成で行くのだろう。

2コア製品も4.5Wまで対応と言っていたから登場するとは思うが、4コア1パッケージの構成だとすると、2コア分無効化して出すのだろうか。まあcore m搭載製品自体割高な印象は拭えないから、価格的にこれでも行けると考えたか、zen+で2コアネイティブに対応するのか気になるところ。
2016/08/25(Thu) 17:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153515 
順調そうで何より
ただ、たとえ旧式ベンチで数字が伸びなかろうが、意欲的なコンセプトで生み出されたBulldozer系の方が俺は好きだ
9590も手に入れたし、もう思い残すことも特にないが…
2016/08/25(Thu) 23:15 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153516 
4wayの命令デコーダが全部フルデコード対応とは驚きました。もしかして16bitコード最強CPUになれるのでは?
2016/08/26(Fri) 00:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153518 
シレッとzenに混じってでもいいからデスクトップ版鰤出て欲しい…
2016/08/26(Fri) 06:14 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
153534 
今更2コアとか必要でしょうか。
せっかくコスパの良いCPU出してくれるのですから、儲けさせてあげないとAMDが可哀想です。
GF14nm となるとダイあたりの製造コストも安くはないはずです。
8コア出たらすぐ買います。
2016/08/27(Sat) 17:24 | URL | ねこ #-[ 編集]
153540 
需要次第なんじゃないの?
新たにマスク起こすのに見合うだけ売れるんなら、2コア版作るだろうし、そうでないなら、4コア版(の試験落ち品?)を流用するだろうし。
2016/08/28(Sun) 07:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
153624 
65Wは値段が安そうだからこれでいいんじゃないの?8コアでもいいぐらい。
2016/09/06(Tue) 06:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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